汁々合戦。

一心不乱に自転車を漕いでいると、
これまた自転車に乗った一人の青年が声を掛けてきた。



「どちらまで?」

「新潟です。」

「私もです。」



「どちらから?」

「千葉県です。」

「私もです。」



「ご職業は?」

「公務員です。」

「私もです。」



「おいくつで?」

「28です。」

「惜しい。」



隣の市の職員だった。
奇妙な一致もあるもんでさあ…。
新潟市まで一緒に走った。


連絡先を交換し、彼は新潟駅へと向かって走っていった。



僕はさらに北上する。
今回の目的はただ一つ、前回の青森に加え、東北を走破すること。
秋田を目指し、四国に次ぐ辛さと楽しさを味わってるんだよ。