やられたらバイセクシャルだ。






旅から帰って5日が経った。
次の勤め先に提出する書類集めや友達への報告会やなんやでこんなに時間が経ってしまった。
だがそうは言っても僕が働き出すのは4月1日。
まだまだ十分過ぎるくらいの月日が残っているのだ。



それにしても、旅から帰ってから不思議な気分が続いている。
毎朝起きると、また次なる目的地へ旅立たなければいけないような感覚に苛まれているのだ。
ここはあくまでも通過点に過ぎないような、根無し草感。
厳密に言えばそれは間違ってはいないのかもしれない。
いずれ僕はここを出て行くことになる。遅いか早いかだけだ。







僕は当初四国で迎える予定だった25歳の誕生日を地元で迎えた。
さらに幸せなことに、お付き合いしてる彼女と過ごすことができた。ありがたいことだ。



彼女の仕事が終わるのを待ち、僕たちは夕御飯を食べに行った。
お遍路のお土産話もそこそこに少しドライブをして、彼女を家まで送った。
別れ際、彼女はプレゼントをくれた。
手のひらに収まるくらいの包みにそれは入っていた。



「だいたい思った通りのものだと思うけど…」



何だろう、僕が欲しがっていたものか?
いやしかし恋人がくれるプレゼントは何であろうと嬉しいものだ。ありがたい。
僕は包みを開けた。




これは…。
これは…?



戸惑う僕に彼女は言った。



「お尻を見て」





「プリッとしてるでしょう」





ありがたいなあ。